FXの損益計算でよく目にする「pips(ピップス)」。このpipsをしっかりと理解していないと、1ロット辺りいくら損益を計上したのか計算ができません。今回はpipsやロットの基礎知識をお伝えしつつ、「FXで1pips変動すると1ロットでいくら得するのか」という疑問に答えていきます。
この記事で解決できる悩み
・1pips変動すると1ロットでいくら損益が生まれるのか?
・1pipsはいくら、1ロットは何通貨を表すのか?
・pipsを使った損益計算を効率的に行うには?
FXの損益計算では、よく「pips(ピップス)」という単位が用いられます。
このpipsをしっかりと理解していないと、1ロット辺りいくら損益を計上したのか計算ができません。
そこで今回は、pipsやロットの基礎知識をお伝えしつつ、「FXで1pips変動すると1ロットでいくら得するのか」という疑問に答えていきます。
損切り値を設定する際にも利用するため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1ロット辺りで1pips変動するといくら得するのか?
結論から説明すると、1ロットで1pips変動すると利益や損失は以下のようになります。
pips変動幅 | 1ロット | 10ロット | 100ロット |
1pips | 100円 | 1,000円 | 10,000円 |
10pips | 1,000円 | 10,000円 | 100,000円 |
100pips | 10,000円 | 100,000円 | 1,000,000円 |
※上記はすべてクロス円またはドル円取引の場合
上記の通り、1ロットの注文でレートが1pips上昇したときは、100円の利益を得ます。
反対に、同じ条件で1pips下落した場合は100円の損失です。
FXに慣れ始めた方であれば、上記だけでピンと来ることもあるでしょう。
しかし、初心者の方の場合は理解できないことも多いかと思います。
そこで、ロットやpipsについてもう少し詳しく解説を行っていきます。
1ロットでいくら損益が出るか計算するために必要な知識
pips変動値によって損益計算を行うには、ロットとpipsについての理解が必要です。
それぞれ以下で詳しくお伝えします。
1pipsは0.01円(1銭)
pips(percentage in points)とは、FXにおける価格変動幅の単位です。
ただ、価格変動の幅といっても、1pipsがいくらになるかは扱う通貨ペアによって異なります。
たとえば、クロス円(日本円を含んだ通貨ペア)やドル円の場合、1pipsの値は0.01円(1銭)です。
一方、ドルストレート(米ドルを含んだ通貨ペア)では、1pipsの値は0.01セントとなります。
pipsがいくらか簡単に計算するコツ
1pipsがいくらになるか、クロス円やドルストレートを例に出してお伝えしましたが、このように覚えようとすると計算が非常に面倒です。
たとえば、ドル円が101円50銭から101円67銭に上昇したとしましょう。
この場合はわざわざドル円のpips辺りの値(1pips=0.01円)を思い出し、値上がりした金額を値に当てはめる手間がかかってしまいます。
そこで、注文画面でよく見かけるBid値やAsk値の単位を参考にしましょう。
ドル円やクロス円は、「101.500」のように小数点以下が3桁表記になっています。
そのため、小数点以下の2桁目が1pipsと覚えておくと、101.500から101.670に値上がりしたときは17pipsの上昇だと瞬時に判断できます。
また、ドルストレートの場合は、「1.14360」のように小数点以下が5桁表記です。
こちらは、小数点以下の4桁目が1pipsだと記憶するだけで、1.14360から1.14250に値下がりした場合は11pipsの下落だと分かります。
1ロットは1万通貨
次に、1ロットがいくらになるかを理解していきましょう。
FXでは基本的に、1ロットは1万通貨を表します。
すなわちドル円の場合だと1ロットは1万ドル、ユーロ円の場合は1ロットが1万ユーロ。
また、仮にドル円が100円だと1万ドルは100万円分の価値があることを表しています。
1ロット辺りの1pips変動による損益を2秒で計算するコツ
では、今までお伝えしたことをもう一度おさらいしてみましょう。
円ドルの場合だと、1pipsは0.01円、1ロットは1万通貨ということでした。
そして、冒頭でお伝えした表を思い出してください。
例を使って計算してみると、ドル円が100円のときに1ロット(1万通貨)を買うと、取引金額は100万円(100円×1万通貨)となります。
その100万円分のポジションを保有するとき、10pipsだけ値下がりしたらどうなるでしょう。
上記表にあてはめると「1ロット」の「10pips」なので「1,000円」、つまり100万円分のポジションで1,000円分の含み損を被ったことを表します。
ただし、上記表の内容をすべて暗記するのは簡単ではありません。
そこで、1ロット辺りの1pips変動による損益は以下の計算式を活用しましょう。
- 基準値100円×pipsの変動倍率×ロットの変動倍率
基準値とは、上記表でいうところの「1ロット」と「1pips」の値(100円)です。
この基準値さえ頭に入れておけば、後はpipsとロットの変動倍率だけ確認すれば済みます。
仮に10ロットの取引で10pipsだけ価格が動いた場合、「10ロット」は基準値「1ロット」の10倍、「10pips」も基準値「1pips」の10倍なので、
- 基準値100円×pipsの変動倍率10倍×ロットの変動倍率10倍
上記のような計算式が成り立ち、答えは10,000(円)と簡単に求められます。
上記の表の内容にピッタリと当てはまっているはずです。
【1ロット辺りの1pips変動による損益】まとめ
FXで1pips変動すると1ロットでいくら得する(損する)のかは、ロットとpipsをしっかりと理解しておく必要があります。
1ロット取引で1pips変動した場合は100円の損失(または利益)が生まれます。
この「1ロット・1pips・100円」という基準値さえ覚えておけば、後はpipsとロットの変動倍率さえ確認すれば2秒で損益が求められます。
FXの取引を行う前にしっかりと損益予測を行い、より勝率を高めていきましょう。